「うちの犬、もう8歳なんですが、健康診断はどのくらいの頻度で受ければいいですか?」という質問をよくいただきます。犬の7歳は、人間でいうと50代前半に相当します。見た目は元気でも、内臓の変化は血液検査でしか確認できないことがあります。
7歳未満と7歳以上で変わること ¶
7歳未満の成犬であれば、年1回の健康診断が基本的な目安です。7歳以上になると、腎臓・肝臓・心臓の変化が出やすくなるため、半年に1回のペースをお勧めしています。特に大型犬は小型犬より老化が早い傾向があるため、6歳ごろから半年ごとの検査を始めることもあります。
シニア期に特に確認したい検査項目 ¶
血液検査では、BUN(血中尿素窒素)とクレアチニンが腎機能の指標になります。ALTとALPは肝臓の状態を示します。これらの数値は、1回の検査だけでは判断が難しく、複数年分を並べて変化の傾向を見ることが重要です。当院では過去の検査結果をすべて保管し、来院のたびに比較できるようにしています。
レントゲンで確認できること ¶
血液検査では見えない変化として、心臓の大きさ・肺の状態・関節の変形があります。特に大型犬の股関節形成不全や、小型犬の気管虚脱は、レントゲンで早期に確認できることがあります。シニア健診パッケージにはレントゲン2枚が含まれており、胸部と腹部を撮影します。
「元気そうだから大丈夫」が危ない理由 ¶
犬は体調が悪くても、飼い主の前では元気に振る舞うことがあります。腎臓は機能が30%以下になるまで症状が出にくい臓器です。「食欲もあるし、散歩も行ける」という状態でも、血液検査で腎機能の低下が始まっていることがあります。早期に発見できれば、食事管理や投薬で進行を遅らせることができます。
シニア期の健康診断は、「異常を見つける」というより「変化の傾向を追う」ものです。数値の絶対値より、去年と今年の差の方が大切なことがあります。まずは一度、ご相談ください。